京都工芸繊維大学 情報工学課程 情報工学専攻

教員からのメッセージ

コンピュータや機械を、もっと使いやすく

 情報工学で、最近大きなテーマとなっているのがヒューマンインタフェースです。パソコンやコピー機など機械の高度化が進む中、一般の人にとっては機械を使うのが難しいという状況が生まれています。ヒューマンインタフェースの研究の目的とは、簡単に言うと、人が機械を使いやすくするための方策を考えていくことにあります。お年寄り、障害者、子供など誰もが使いやすいものを作るという意味では、いわゆるユニバーサルデザインを進めていくこともそのひとつです。また、人が「使いやすい」と感じるためには、機械の働きを人間の感覚に調和したものにしていく必要があります。近年、ほとんどの機械がコンピュータによって制御されていることから、情報工学の立場からヒューマンインタフェースに取り組むことが不可欠となっています。

 現在、私の研究室でもさまざまな角度からヒューマンインタフェースの研究を行っています。例えば、人と人とが向かい合って話をしている時には、表情やしぐさなどから相手の気持がある程度伝わってきますね。このような言語以外の情報をアウェアネス情報と呼んでいますが、メールや電話などでは、そうした情報が伝わりにくいために、コミュニケーションが上手くいかない場合があります。そこで、現在、アウェアネス情報をさまざまな手段で収集し、伝達することによって、コンピュータを使った遠隔コミュニケーションをもっとスムーズにするための研究を進めています。

目指すのは次世代型コンピュータ技術

 この他、本課程では、並列処理をはじめとするコンピュータの高速・高性能化に関する研究や、人と機械がよりよい関係を築けるような、システム制御や人工知能、ネットワークに関する研究などさまざまな研究が行われています。目指すのは、現在よりも一歩進んだ、人の生活をより豊かで快適にする新しいコンピュータ技術です。


情報工学の面白さとは?

 私が高校生の頃、学校に3台だけプログラムが可能な電卓があって、大した物ではなかったのですが、それをなだめすかしていろんな計算をさせるのに夢中になっていた頃がありました。自分のプログラム通りに動いてくれた時の嬉しさは今も覚えています。情報工学の面白さは、あの時の嬉しさと同じで、やはり機械やシステムを自分の思い通りに操れるところにあるのではないかと思います。この分野で扱う理論や技術がますます複雑化する中、そうした面白さを味わうためには、数学的にきっちりものごとを考える力や、物理の知識など基礎をきちんと身につけることが大切です。高校でも、ぜひこうしたことをしっかり勉強してきて欲しいですね。


 コンピュータの新しい未来を切り拓くために、今、新しい力が必要とされています。フレッシュなアイデアとチャレンジ精神をもったみなさんに、もうすぐ出会えることを楽しみにしています。


辻野嘉宏教授(HCI、計算機言語、ソフトウェア工学)

※大学案内2006を抜粋、一部編集。


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